携帯小説家その8


最後、一人ずつ役者さん、そして夢野美鈴の7人全員が一言ずつの挨拶をしてくれまして。
どの言葉も凄く心に残るものがあったんですけど、その全てを記すことはできなくて。
でも、自分自身ある意味一番心に残った言葉を記しておきたいと思います。


夢野美鈴を演じた℃-uteのメンバーに対して、一人一人の役者さんが花束を用意してくれて、一人ずつ役名と名前を呼んで紹介してくれて。
そして一人ずつが挨拶をしてくれるという流れでした。
一人ずつ進んでいって・・・最後に浅丘清香を演じた舞美ちゃんが出てくるところ。
紹介してくれたのは、吉原健三郎を演じたあいざわ元気さん。


「そして、浅丘清香を演じた尊敬する矢島舞美


そういった言葉で彼女のことを紹介してくださったあいざわさん。


それまで他のメンバーが色々な想いでいっぱいになって涙が溢れてしまう中で、舞美ちゃんは笑顔でずっと仕切っていて。
けれど、その言葉を聞いた瞬間に崩れ落ちる彼女がいて。
このあいざわさんの言葉に詰まっている沢山の想いを彼女が感じたからこそなんだろうって思う。
きっと℃-uteとして最後に紹介される子だからっていうこともあると思うし、あいざわさんの想い、そして共演してくださった役者さん皆さんの℃-uteに対する想いがあの一言に込められていたと思うんですね。


最初のエントリーにも繋がってくる話なんですけど、先輩とか後輩とかもある世界。
そして、℃-uteのメンバーは普段は歌の世界を中心にして頑張っているんですけど、共演者の方々はほとんどが劇団の方で演じることを生業とされている方が多くて。
それは間違いなく℃-uteのメンバーも前回にしても今回にしても感じていることだと思うんですよね。
世界で隔てるのもあれだと思うんですけど、もしかしたらその人たちの関係性によっては隔たりが出来てしまうものなのかもしれません。
けれど、そういう隔たりがなかった。だからこその「尊敬する」という言葉だったと思う。


これは、劇中において清香のまっすぐな気持ちと、真剣な心を感じ取った吉原先生が彼女に心からのアドバイスを送るシーンに置き換えられるんじゃないかと思うんです。
いつも会っているわけじゃない、初めて会った人同士で始まったであろうこの舞台。
その中で、日々の稽古を通して彼女たちの気持ちや姿勢が他の役者さんたちにも伝わって・・・
だからこそ共演者の方々はその気持ちに「アドバイス」という形で返した。
そしてまた彼女たちはそのアドバイスを受け取って、舞台という場所で表現した。そういうことなんじゃないかなって。
そして、舞台においてはお互いの気持ちを感じ取っているからこその表現が出来ていたと思うし、一つになれたっていうことだと思います。
舞台は一人で作るものじゃない。


彼女たち自身、日々勉強していて学ぶことが多くてと話していて。
そんな彼女たちと真剣に向き合って、一緒に舞台を作ろうという意識で作ってくださった方々がいて。
それに応えた彼女たちが居る。


それを感じたからこそ、改めて携帯小説家という舞台は最高の舞台だったと思うし、
そして間違いなく℃-uteは沢山のことをまた学んで、吸収して、大きく、成長したんだなって思えるんです。
ストーリーとか、メッセージももちろん沢山あったけれど。
それを持って最高というわけではなくて。純粋に素晴らしい舞台でした。


本当に素敵な舞台を見せてくれてありがとう。


最後にね、一枚の写真がスクリーンに飾られていました。
出演者の方々全員が納まっている写真。
皆さんとても素敵な笑顔で、とてもとても素敵な写真でした。彼女たちの繋がりがとても感じられる素敵な一枚でした。