冬は・・・
冬は好きじゃない。思い出したくないことを思い出させるから。
あれはいつの冬だったんだろう。
覚えていないのか、覚えていたくないのか。
傷ついていた自分を癒すために来てくれたかのようなその子。
その子のおかげで傷ついていた自分は癒され、前を見て進めるようになった。
なのに・・・。
いつもの冬と同じように寒くて。
隣でさりげなく肩を抱き寄せると、ぬくもりが伝わってきた。
それはきっと人の体温というリアルなもの以上に、誰かが隣に居るということが安心感を生み、自分の心を温めてくれたんじゃないかなと思う。
そんな子に対して自分は・・・
自分がまだ子供だったのかもしれない。
自分自身の足元もしっかりしていない状況だったから。
いつも完璧な状態で恋が出来たらなんて思うけど、現実はそんなに優しいものではなく。
今なら、2度と同じ過ちは繰り返さないと思える。
今ならしっかりと支えあっていけると思う。
でも、今はもうその子は居ない。
自分自身の愚かさを、バカさ加減をひたすらに後悔、後悔、後悔。
前を見て進みたいし、いつまでも引きずっていちゃ駄目なんだとも思う。
でも、あれから恋をしたことがない。
自分の時はあの時で止まったまま・・・。
この時はいつ動きだすのだろうか。
今日も寒い。