第一回(飯田圭織)

この子は本当に変わった。初期の頃の彼女を知る人なら皆そう思うと思う。
変わった、というより自分自身を抑えることができるようになったというべきか。
そういう意味では成長した、が一番正しい言い方かもしれない。
自分が最初に彼女を見たのはもちろん「シャ乱Qロックヴォーカリストオーデ」の時。
当時15歳だった彼女だったが、当然その頃はすでに背が高く、
ロングヘアーで目がパッチリしていて、すぐに自分は心を奪われた。
その後周知の通り、彼女は落選し、モーニング娘。としてデビューを目指すことになる。
デビューが決まり、デビュー曲が決まり、そしてデビュー曲のパート割を決めることになる。
そして、最初の選考?で見事彼女はデビュー曲のメインを勝ち取ったのである。
喜ぶ彼女、しかし・・・学校の試験を終えて再び上京してきた彼女に告げられたのは、
メインの変更・・・涙する彼女。この姿を見て、自分は彼女を推し始めた、そう思う。
応援してあげたい、頑張れ、そういう気持ちが自然と湧いてきた。

当初は背が高くて目鼻立ちも良くて、おとなしい清楚な感じのイメージを抱いていたのだが、
「うたばん」や「ASAYAN」でじょじょに彼女の内面が現れ始める。
自己主張が強く、自分を抑えるということが基本的にはできないでいたのだと思う。
また、独自の世界観、考え方を持っており、質問に対しての受け答えが、
たまにちんぷんかんぷんな時もあった(笑)
そんな彼女であるが故に、なんかグループから浮いたような感じも受けることもあったが、
そういった彼女の行動、言動の全ては彼女の本質である、「純粋さ」という部分に全て帰結していた。

初期の頃のプロフィールに「長所:嘘をつかないこと、短所:嘘がつけないこと」
そんな風に書いていたぐらいに、常に自分に正直に、素直に生きていたのだと思う。
そういう彼女のピュアな部分を見ていくうちに益々彼女を好きになっていった。

そんな彼女が変わっていくきっかけはなんだったのだろうと思うと、
やはり4期メンバーの加入が大きかったのではないかなと思う。
今までは特に際立った年下のメンバーが居ることもなく、周りを気にしたり、
誰かの世話を焼いたりする必要がなかったところに、
突然入ってきた2名の12歳の超問題児(笑)
その後、加護が「タンポポ」に加わることになり、そういったところから
徐々にお姉さんとしての部分、自覚が芽生え始めたのだと思う。

その彼女を完全に今の状態に持っていくようにしたのは紛れもなく、
中澤姐さんの卒業と、自分自身の新リーダー就任であろう。
矢口さんなどがエッセイで語っているように、周りのメンバーも当初は不安だったようである。
そういう自分も正直大丈夫かな?という思いが強かった。
当然最初の頃はなかなか苦闘していたようだが、じょじょにそして確実に
新しい形のリーダーとしての役割を立派に果たすようになっていったと思う。
本人も不安はかなり大きかったのだと思う。
そして、ピュアで真面目な子であるが故に人一倍悩んだのではなかろうか。
だからこそ、「ピース」の時に出た「うたばん」でちょっとした矢口さんの
優しい言葉につい涙を流してしまったりしたのであろう。
その後じょじょに子供っぽい言動が少なくなり、自己主張をする機会も減っていった。
そして、今のように綺麗で落ち着いている大人の女性にいつしかなっていた。
彼女は変わったと書いたが、矢口さんもエッセイで語っているように、
昔ながらの純粋な部分は今も変わっていない。
一つ一つのことに真剣に取り組み、何事にも真面目に挑む姿勢は
是非とも後輩メンバーに受け継がれていってほしいものだと思う。

真面目な人が損する、そんなことを言われる時代において、
彼女のような真面目な人が頑張っている姿を見れるのはとても嬉しい。
今の彼女は全ての人を包みこむような、そういう神々しい雰囲気すらも持っているのではないだろうか。
なっちは天使、そんなフレーズを良く見かけるが、
その美しい容姿も含めて、「かおりんは女神」、そういうフレーズもあってもいいんじゃないかなとか思う。