劇団ゲキハロ「戦国自衛隊・女性自衛官帰還セヨ」


2日目の昨日は、同じく池袋にて戦国自衛隊、女性自衛官帰還セヨの方を観劇して参りました。


以下ネタバレもありつつ、がーっと感想など。






・全体感


重い軽いの話というのはあるのかもしれませんが、ある意味対局的なのかもしれません。
同じテーマを題材にしているにもかかわらず、違う方向から何かを訴えようとしている、そんな風に感じました。
2作品見たからこそ感じられることなのだと思います。


帰還セヨの方は想像以上に、軽い感じ、雰囲気で導入部から入っていったので、前日の余韻がどうしても醒めない頭には結構な衝撃でした。これはかなり違うと。
自衛官になると決めた決意、経緯・・・それぞれにバラバラではある。
一見軽いように見える、何となく決めたように見える理由もある。
でも、それでも、最後までやり遂げたという彼女たちはその時点でそれはもう一様に立派なことなのではないだろうか、そんな事も思いました。


重いという話で言うならば、おそらく自分が「近い」と感じる人、メンバーであったりが劇中に命を落とすことになればなるほど、そういう感覚になるのだと思います。
そういう観点だけ捉えれば「死守セヨ」はとてつもなく重く感じたし、「帰還セヨ」はそうでもなかった。それは率直な感想です。
どちらも人が多数、少数関係なく亡くなってはいるのだけれど、観客として見ていて、空明らかに悪役的な扱いをされている人物が死んだとしても、そこに受ける衝撃は少ない。それが帰還セヨの方。
でも、中にいる人たち、生きる人たち、まさに彼女たちにはそういう事はあまり関係なくて、今目の前で自分の大切な仲間や、大切でもなんでもなくても「人」が息絶えるという事を見て、感じて・・・それは一様に重い。
そういう部分は共通して描かれているのだと思いました。


守ること、使命、生きること、守るためなら誰かを傷つけてもいいのかという自問自答、それらのことがありつつ。
命そのもの、について考えさせられることがとても多かった気がします。
対照的になっているように映るのが元々予定されていたことなのか、定かではありませんが・・・


死守セヨにおいては、自衛官が亡くなり・・・そしておそらく最後に残った二人もそう遠くない先に命を落とす、そんな予感や伏線は散りばめられていて。
他方、帰還セヨでは、本当に見事に全員が現代に帰還する。いわゆるハッピーエンド的にも映るかもしれないもの。
感じたのは・・・


死守セヨでは、人が死ぬ事によって、命の儚さを伝え、重さを伝える。
帰還セヨでは、人が生きることによって、命の尊さを伝え、喜びを感じさせる。


そんな風に今は感じています。


国民の命を守る、誰かを守る・・・といっても、その重さや儚さや尊さは・・・
きっとその命そのものが生まれる瞬間、或いは消えゆく瞬間を見て、感じて、それからようやく何となくわかる・・・ようなものなのではないでしょうか。


そして、また誰かに守られる、救われることによって自分の命があることのありがたさや・・・幸せを感じる。
そんなシーンも死守セヨにおいて描かれていましたね。
その救われた彼女が、救ってくれた人に自分の想いを託して息絶えて行く・・・あの瞬間に感じるものはとてつもなく重かった。一番ずしりと来て今も胸を離れてくれません。


取り留めもなく書いてしまいましたが、また改めて来週2つの作品を見ることが楽しみです。

  • メンバー


茉麻ちゃんの、ちょいちょい出てきた「おばちゃんキャラ」は・・・地なのだろうか?(笑)いい味出してたなぁ・・・
それでも、時折見せる鋭い眼光がギラギラしておりました。


熊井ちゃんは、凄くセリフも多い役回りだったと思うのですが、凄かったなぁ・・・
あんな風にガーっと相手をまくし立てたりするような印象って全然ないもので、彼女にとっても凄い挑戦だったんじゃないかなぁ・・・そういうメンバーも多分多いですよね。


梨沙子ちゃんの目から感じる色っぽさと、そして儚さのような・・・あるいは憂いのようなもの。
この役回りにはものすごくはまっていたのではないかなぁ・・・と思います。
舞う美しさ、そして切なさ・・・


なっきぃの演技には色々な彼女らしさがふんだんに取り込まれていた気がします。
自由度が高い気がするなぁ・・・表現のバリエーションであったり。


みやびちゃんは・・・とにかく美しかった・・・いや、すみません(汗
一定の距離以上に近くで見ると、目を10秒以上見ていられないのだよなぁ・・・美しすぎて・・・
演技の部分では、彼女自身なども語っていたように、ガチで誰かとやり合うような場面であったりというのは凄く新鮮だったのかと思います。彼女自身にとっても。
迫力あったものなぁ・・・初手から常に一人「私は違う」的な距離感、行動をとっていた彼女なので、気がつくと彼女の事を目で追っていたなぁ・・・


舞美ちゃんは、「新しいキャラ」とずぅっと言っていたので・・・でもって金曜日のラジオで少し話をしていたのを聞いていたのですが、なるほど・・・。
確かにあんなに弱弱しい舞美ちゃんは見た事がないですね。うん。
強く清く美しくみたいなのを地で行くような人に映ることが多い人だと思いますが、まさに挑戦だったでしょうね。
でも、あの弱弱しさであったり、そこからのフィーバー的な部分であったり・・・そこのギャップも含めて凄く見ごたえがありました。
また演技の引き出し広がるんじゃないかなぁ・・・これは。