シングル大全集その1(過去)


セットリスト的に誰が何を歌うとかいうのはあるんですが、それはまた後で。
某曲がフルで歌われなかったのが不満・・・みたいに一番最初の感想で書いたんですけど、
あれは今になってみて・・・大したことじゃなかったなぁ・・・って思う。
一曲がどうとかじゃなくて、全体としてというか、36曲を通して見てこそ何か意義があるというか。


あれが用意された台本なのか、或いは本人の言葉なのかまでは自分には判断できないのだけれど、
一番最初のMCで田中れいなが発した言葉「過去、現在、そして未来のモーニング娘。を感じて欲しい」
正確な言葉は覚えていないけれど、少なくとも自分にはそういうニュアンスで聞こえた言葉。
過去という話でするならば・・・
自分も相当に過去の娘。には思い入れが強い人で。
過去っていっても最近じゃなくて、本当にデビューした頃とかの話。
だから最初のころに娘。が凄く好きになって、途中でしばらく離れて・・・また戻ってきてっていう自分の歴史があるわけだけれど、
無意識のうちに自分自身でその間に溝を作って隔離させていたというか、昔と今を「別のもの」として捉えて楽しんでいた部分があるのかもしれないなんて思う。
今回のツアー、コンサートは自分にとってそういう溝を埋める役割も果たしてくれたものかもしれない。


人によって本当に楽しみ方が違うコンサートだろうなと思う。
その曲が出た当時のことを知らない人ならばまた新鮮に楽しめるだろうし、
その当時を知る人ならばその当時のことを思い出しつつ、今と見比べてみたりなんてことも出来ると思う。
ホント、初めて見るという人にはすごくお勧め出来るんじゃないかな。もちろん昔を知る人にもね。
いつの時代を知る人も、知らない人も一度は見たほうがいい、それは確かにそう思う。




さて、自分の話。
自分自身の中で、娘。の10年の中には自分個人としてのターニングポイントみたいなものが設定されていて。
簡単に分けるなら「初期のモーニング娘。」、「藤本美貴がいたモーニング娘。」、「今のモーニング娘。」の3つ。
過去という意味で言うならば、一番最初の部分が関わってくるわけで。
自分の中でも見に行く前に一番引っかかっていた、気にかけていたのがこの部分でした。
あの頃の曲を今の娘。が歌う姿を見て自分がどう感じるかっていうのは自分にもなかなか予想がつかなかった部分で。
もちろん自分だって最近のメンバーが歌う昔の曲っていうのは何度も見ていたりするんだけど、こういう構成で行われるコンサートであるがゆえに、
自分自身が変に構えてしまうような部分があったのかもしれないなぁ・・・なんて今は何となく思う。
そして実際にはどうだったんだろう。


ノスタルジックという表現が正しいのかは分らないのだけれど、”懐かしむ”という部分があったのはきっと確かなことで。
一番強い何かを感じたのはデビュー曲でもある「モーニングコーヒー」で。
当時を意識してなのか・・・いやきっと意識してなんだと思う。
当時と同じく「5人」で歌われたその曲。
自分の中には最初のイントロが流れた瞬間からその当時の5人の姿が脳裏に蘇ってきて。
多分最初の段階ではその昔を思い出しながら、自分の記憶を呼び起こして、その映像を見て楽しんでいた・・・
そんな感じだろうと思う。
それが、時間が経つに連れて少しずつ”過去”と”現在”とが重なり合ってきて・・・。
きっとそういう感じ。


その当時の曲に関しては特に、どのメンバーが歌うかということはさして重要なファクターではなく。
ただ、今のモーニング娘。が歌うということに大きな意義を感じて。
今のモーニング娘。を見ながら過去を楽しむ。
普通に考えたら全くもっておかしなことではあるけれど、そういうことが実際に自分の中に起きていた。


そういった観点において、終わった直後に自分の中に残っていたのは一種の爽快感のようなものであり。
見に来てよかったという思いと、満足感と。
一回見てから、もう一度見に行くかどうかを決めようかと思っていたのだけれど、終わった直後は「この一回きりでいい」
そんな風に思っていた自分が居て。
それは本当にこの一回で十分だという思いも確かにあり。
そしてまた・・・きっと自分自身が多分怖かったんだろうなって思う。
今の娘。を見ながら過去の娘。を重ね合わせて楽しんでいた自分自身に対する背徳感のようなものなのか、
或いはこれ以上見ると自分自身が”過去”に囚われてしまうような感覚もあったのかもしれない。


しかしながらそれもまた”過去”の話で。
時間を置いてみて・・・もう一回見に行ってみたいなと思うようになってきた。
それが過去の話。そして現在へ・・・